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「なあ、用が済んだら今日は帰れよ。俺も仕事の件でまとめなきゃならねえもんがあるんだよ。」
「ええー。せっかく久しぶりに会ったのにそりゃねえよ。なあ、今から出掛けようぜ。」
「だからやることあるっつってんだろ?」
「…じゃあさ、あの秘書ちゃん借りてもいい?渉の代わりに。」
「はあ?いいわけねえだろ。アイツにもやってもらうことがあんだよ。連れて行かれたら仕事になんねえよ。」
「なんだよ、ケチ。せめて夕飯はどっかで食べようぜ。」
「夕飯は今日は家だ。親父も帰って来て話したいこともあるし。」
俺の嘘もすげえけど、大塚のしつこさもある意味すげえな。
「あ、何、親父さん帰ってくるの?じゃあ、久しぶりだし挨拶してくよ。俺もこのまま帰ったんじゃ親父に挨拶もしないで帰って来たってどやされそうだし。」
「はあ?」
…とは言ったものの、
あんまり執拗に追い帰すのもかえって怪しいとも思い、親父の顔を見れば満足するかと半分あきらめて、親父を待つことにした。
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