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「さてと、そろそろ帰るか」
課長が腰を上げたので私達もそれに続いた。
課長は私達の分も支払いをしてくれた。
お礼を言って私達は外に出た。
「何だか色々ありすぎて疲れた」
義春が先頭に立って歩きながら言った。
「私なんてあの竹内さんで倍増したわよ」
「お疲れさま」
ひよりと千恵が並んで歩く。
私はというと……。
課長と並んで歩いていた。
「本当はちょっと寂しいんじゃないんですか?」
何か話さないとと思って私は声をかけた。
「何が?」
「友樹くんの事です。課長に懐いてたから寂しいんじゃないかなぁって思って」
「まぁな。でもいつか本当の自分の子が出来るまで我慢するさ」
課長もいつか結婚するんだな……。
それが自分であってほしいと心の中で思う。
沙織さんという障害がなくなった今、課長は完全にフリーだ。
その時、課長の携帯が鳴った。
「悪い」と言って背中を向けた課長が電話に出た。
私は課長の背中を見つめながら思った。
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