運命の人

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課長とあんな別れ方をして半年以上が経っていた。 あれから一度も会うことも声を聞くこともない。 季節は冬。 プロジェクトも佳境を向かえ竣工に向けて皆忙しそうだ。 もちろん私もその中の一人。 だから課長の事考えている暇はない。 というのは表向きで本当の所は課長の事で頭が一杯だった。 だけど考えないようにしていた。 一度緩んでしまった涙腺は思い出すだけでジワリと目頭を熱くする。 私はこんなにも弱い人間になってしまったのか? 強くなりたいのに……。
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