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頷いた私をソファーに座らせると、
彼は隣に腰かけ話を続けた。
「それはね、
日本でも香港でも同じ事。
既製品のテーブルで俺が納得出来る
物がどうしても見つからない。
変わってるのかも知れないけど
俺は他人の為になら家具を
デザイン出来るけど
不思議と自分の為のデザインは
出来なかったりするんだよね。
どこまで煮詰めても
納得出来ないって言うか
変な欲が出るって感じ?
…それに気付いてくれたのが
小野さんだった」
そう言って彼は一瞬悲しそうに
瞳を揺らす。
「…そうだったんだ…
だから小野さんは
あのテーブルを?」
私の質問に、
彼は瞬きしながら小さく頷いた。
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