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法要が済んで、既に帰ったと思っていた。 叔母さんは静かに微笑むと、花を供え、水を換え、墓周りをきれいにし出した。 「お母さんのこと恨んでる?」 「……いや。」 叔母さんは手を動かしながら話を進める。 「ホント、姉さんはバカだわ。 まぁ、忠貴さんが悪いんだけど…。」 「…え?」 「忠貴さんが浮気してたからって、その辺の男と一緒になって出て行って…。 本当は忠貴さんのこと好きで仕方なかったくせに。」 父親が浮気してたのか? もともと。 「日に日に忠貴さんに似てくるあなたを必要以上に可愛がっていたのも、そのせいよ。」 「……。」 頭がうまく回らない。 蝉の声が一層騒がしく聞こえる。
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