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「……。」
あれ……?
熱い?
春子の肩を掴んで、顔をばっと離した。
「熱ある?もしかして。」
春子は赤い顔、潤んだ目で俺を見て笑った。
「マジ?
何してるの?
何で熱あるのにこんな時間にバスなんか待って……。」
春子は上目遣いで、ちょっとバツ悪そうに、
「へへ……。」
と、笑う。
手を握ったまま、春子を立たせた。
そのまま、会社の方へ引っ張っていく。
「送る。
お願いだから、次からは瑞希に送ってもらうか、早い時間に帰るかして。」
「……。」
引っ張られて小走りだった春子は、急にペースを落とした。
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