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「心配だ……酷くなる前に宇都宮に来い」
部長はそう言った。そして部屋に上がる。
明かりのついた部屋、部長は私の体を見て驚いた。尻の痣、二の腕の傷。まさか尻はボンボンに叩かれて出来た鬱血で、腕は同期に嫉妬して自分で傷付けたとは言えなかった。楢和部長はますます心配した、突き飛ばされたのか腕を掴まれたのか、と勘違いしたのだ。
「でも本当に」
「いや駄目だ。部長命令だ」
「直属上司じゃありませんし」
「ならフィアンセ命令だ。外出も心配だがアパートも古い、鍵も一つしかないだろう。それにアーケードの屋根を伝って窓から入られたらどうする」
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