出稼ぎ物語２［街稼ぎ編］

ヘキさんの提案

「あー、ええわええわ。自分たち、着替えてきぃや。」

片付け作業を手伝おうとする２人に、彼は手を振りながら言った。

「え、いいんですか？」

モノたちが聞き返すと、ヘキさんはニヤリとして言った。

「ええんや。今日は、外で晩飯食べよ思てな。２人の歓迎会、まだやってへんし。」

「えぇ！歓迎会？」

「いいんですか？」

途端に目を輝かせるモノたちに、ヘキさんはグッと親指を立てる。

「かかか、もちろんや～。わいに任しとけ。さ、はよ着替えてきぃや。」

ほれほれ、と促されたモノたち。

「「はーい！！」」」

元気な返事を残して、ばたばたと部屋に走っていった。