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海月はその一連の事を呆然と見ていた。
指先が冷たくなって、カタカタと震える。
さっきまではあんなに幸せだったのに、いきなり谷底に突き落とされた気分だった。
何でこんな事になったの?
『俺、海月ちゃんの言う通りにするよ?』
理紫のさっきの言葉。
嫌だと言えば良かったの?
でも、そんな事は言えない。
…ただの《友達》だから。
そう《友達》。
海月は目を瞑って呼吸を整えると、自分に『大丈夫…』と言い聞かせる。
そして《友達》なら《友達》らしく振る舞おう、と決めた。
不思議と、そう決めたら、心が落ち着いてきた。
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