第3話 3.

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「……っ!」 「あの人達が来なきゃ、海月にそういう事する気満々だったんだから」 理紫は吐き出すようにそう言うと「サイテー、俺、八つ当たり…」と耳元に零した。 トクトクトク…、心臓の音がどんどん速くなっていくのを感じる。 い、今、何んか、すごい事、言われた…。 「俺、もの凄く我慢してんだから、あんまり無防備な顔、見せないでよ…」 切なげに吐息で囁かれれば、胸がキュウッ…っとなって、心臓が止まりそうになる。 「くるし…」 「…ゴメン!」 抱き締める力が強過ぎたと勘違いした理紫が腕の力を緩めるから、海月は離されまいとしがみついた。 「…海月?」 結局は、相手に弱いのは海月も同じだから…。 もう乾いてしまった口唇を噛んで、コクリ…と息を飲む。 「少し、も…」 「……?」 「…少しも、時間、無い訳じゃないよね?」
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