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「…話があるんだ」
「…うん」
「俺さ…、大学辞めるから」
「…うん」
海月の心は思ったよりも、落ち着いていた。
「明日、正式に手続きを取りに行く」
理紫は最近、試合にもコンスタントに出場し、レギュラーの座を定着させつつある。
本当はレヴァンに行こうと決めた時から、辞めることを考えていたし、休学して通えてないのだから、そうするのは必然的で…。
「…分かった」
それでも、どこか淋しい…。
「今回は、その為に戻ってきたの?」
海月が微笑むと、理紫も躊躇うように微笑みを返した。
…まだ、何かあるの?
海月が小首を傾げると、その手を包む理紫の両手の力が増す。
「それでね、もう1つ父親に話した事があるんだ」
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