~ 悲しみ ~

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 放課後、宇佐見の言うとおり、永兎さんが迎えに来ていた。  「おっ、遊義。朝は驚かせて悪かったな」  「いえ。びっくりはしましたけど、」  「遊義、敬語のままだな」  「それは、」  色々あったけど、やっぱり、年上だし、敬語の方がいいと俺は思うんだけどな。  「遊義はもう家族なんだぞ。遠慮などするな」  「……家族」  俺がずっと欲しかったもの。求めることをあきらめたもの。
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