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緑茶をのせていたお盆を床に落とした音で、ハッとした。
「…んっ…」
自分の両手で社長の胸を押すが、びくともしない。
私の抵抗も虚しく、社長は左手で私の両手を掴んだ。
体から力が抜けてしまうくらいに、社長のキスは甘くて、激しくて…。
一瞬離れたときを見逃さず、私は顔を背けた。
けど、社長はそれを許さない…。
私が、されるがままになっていると、社長の唇は、私の左耳のほうへまわり、遊び始める。
「…あっ、…しゃ…ちょう…」
ダメだ…、声が出せない…。
ピピピ、ピピピ、ピピピ…
いきなりケータイがなりだして、私は体をビクッとさせた。
社長はゆっくり私から唇を離して、胸ポケットからケータイを取り出し電話にでた。
「…なんだ?」
社長は電話で話しながらも、私の両手は離してくれない。
私は顔をあげることができずにいた。
頭の中で、なんで?の言葉がグルグルまわっている。
体が熱くて、鼓動がはやい…。
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