突然のキス-2

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緑茶をのせていたお盆を床に落とした音で、ハッとした。 「…んっ…」 自分の両手で社長の胸を押すが、びくともしない。 私の抵抗も虚しく、社長は左手で私の両手を掴んだ。 体から力が抜けてしまうくらいに、社長のキスは甘くて、激しくて…。 一瞬離れたときを見逃さず、私は顔を背けた。 けど、社長はそれを許さない…。 私が、されるがままになっていると、社長の唇は、私の左耳のほうへまわり、遊び始める。 「…あっ、…しゃ…ちょう…」 ダメだ…、声が出せない…。 ピピピ、ピピピ、ピピピ… いきなりケータイがなりだして、私は体をビクッとさせた。 社長はゆっくり私から唇を離して、胸ポケットからケータイを取り出し電話にでた。 「…なんだ?」 社長は電話で話しながらも、私の両手は離してくれない。 私は顔をあげることができずにいた。 頭の中で、なんで?の言葉がグルグルまわっている。 体が熱くて、鼓動がはやい…。
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