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悠哉は、バレてもいいって本当に思ってるのかな?
…私は?
私は、どうなんだろう…?
バレたとして、どんな逆風があったとしても、耐えていけるんだろうか…?
「おい、何考えてるんだ?」
「ッキャァァァァァ!」
いきなり耳元で声をかけられ、心臓が飛び出るかと思った。
席を立って振り返ると、耳を押さえている悠哉が立っていた。
「ゆ、悠哉、驚かさないでください!」
「驚いたのは俺のほうだ。いきなり大きい声を出すんじゃない。何事だと思われるだろ?」
息を整え落ち着こうとしている私に、シレッと答える悠哉。
「もう…」
私がぶすくれていると、悠哉がクスッと笑った。
「なる、明後日午後一番に会議が入った。そこの小会議室使うからな」
「あ、はい」
返事をしながら手帳に書きとめ、顔を上げた後、悠哉を見つめた。
…今は、バレたバレないを考えるよりも、悠哉と一緒の時間を確実に積み重ねていくことのほうが、私にとっては大事かもしれない。
「…なる?…どうした?」
悠哉の優しい声に、私は首を振った。
「ううん、何でもないです」
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