207人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
「レイラ、何?」
「あ、椿、今『桜日和』見てたんだけどね」
「あんた、今どこにいるの?」
「移動中」
「絶対、誰もいない場所に行ってから掛け直して」
通話を一方的に切った。ただでさえ集中力がいる時に、レイラとの調子の狂うやりとりは私の神経を逆撫でする。
何のための集中力かって?
完璧に近い嘘を捻り出しつづけるための集中力だよ。
コンセントレーション!
ああ、叫び出したくなる。
最初のコメントを投稿しよう!