闇に生きる者達

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それから数年が経った20歳の冬。 親からは最低限度の食事とパソコンのみが与えられ、高校卒業してからは口をきいていない。 食事を与えてくれているだけでありがたかったがそれと同時に親が馬鹿にも見えた。 こんなゴミを助けてもメリットなど無く、ただ不幸にお金が消費していく一方だというのに。 経験則でそう思った。 だが時にはそんな自分が惨めにもみえた。 自分以外の人間がそれぞれ仕事をして、自分の為にお金を稼いでいるというのに、自分は存在理由もないただのゴミのようにパソコンを弄るだけ。 だがこれが彼の思う最高の幸せだった。 自分が何もしなければ、幸運も不幸も訪れない。 ただ何も起きずに生きるという事を"幸せ"と認識して生きる事が一番の幸せなのだと。 それだけでは当然生きてはいけないのだが、彼には食料とパソコンがある。 最低限度の食事と無限な情報が詰まった娯楽があるだけで彼は幸せだったのだ。
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