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「したんれすって……どれくらい飲ませたんだよ? 桐島ぁ」  どう見ても酔っている鈴那を見て、佐藤は桐島に冷たい視線を送ったが、「俺が飲ませたわけじゃない」と桐島は反論した。  それから十分後、鈴那はテーブルに伏せて眠ってしまった。 「桐島、お前が送ってやれよ」 「もともとそのつもりだ」 「確信犯かよ」 「そんなんじゃない」  桐島は鈴那を何度か起こしたが反応はなく、結局、背負うことにした。  店の外に出てタクシーを拾い、鈴那のアパートまでは佐藤も一緒に行ったが、これから彼女と用事があるからといい、「じゃあ、あとは頼んだ。手出しちゃダメだよ」と釘を刺し、桐島と鈴那を降ろして行ってしまった。  桐島は鈴那を背負って歩き出す。鈴那の寝息は全く乱れることはなく、一定のリズムを刻んでいた。部屋の前に着き、桐島は鈴那に何度も声をかけたが、やはり起きる気配はない。仕方なく勝手に鞄の中から鍵をとることにした。
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