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そして雪チャンにシャンプーして貰いカット台に案内され座った。
その座る俺に雑誌やらを4、5冊持って来た笑顔の雪チャン。
「こちらでも読んで少しだけお待ち下さいね?」
そう言って雪チャンは居なくなった。仕方ないので大した興味のないファッション誌を手に取りパラパラ開き暇を潰す。
すると直ぐに沙希お姉様がやって来て鏡越しに笑顔で声をかけて来た。
「お待たせしました。それではカットしますね?」
そう言って微笑みハサミを持ちカットし始めた沙希お姉様。
そしてカットする沙希お姉様の放つ良い匂いと髪を触る優しい手に癒された俺はつい寝てしまっていた。
どれくらい寝てたのか解らないが、その俺の肩を優しく叩き沙希お姉様が起こしてくれた。
「終わりましたよ?お疲れ様でした」
「えっ!あっ……ありがとうございます」
慌てお礼を言い立ち上がりながら鏡を見た俺はつい驚き呟いた。
「これが俺……」
ボサボサで少し長めだった髪は綺麗に整えられ何だか良く見ると女の子の様に見えなくもない感じにストレートでサラサラの髪になっていた。
それを見に来た彩萌が少し顔を赤らめながら感想を言って来た。
「さすがは沙希ね。私の好みを理解しているわ完璧ね?」
「ありがとうございます」
「じゃあ急いでるから行くわね沙希?ありがとう」
「あ、ありがとうございます!」
「クスッ。いいえ」
彩萌に続き慌てお礼を言ったら沙希お姉様に笑われた。
そして俺と彩萌は問題のお父様に逢う為に店を後にし、彩萌が乗って来た高級感タップリのリムジンに今度は俺も乗り込み一緒にお父様が待つ家へと向かった。
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