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風が木の葉散らす
己が身の如く流れ舞う
徒物は消え去り
跡形無く 滅する定めか
生まれ落ちたこの世がやがて
無明の闇 呑まれるならば
稲光の一瞬の輝きで良い
全てを賭けて 嵐起こす
木の葉命 風に散りて
何も残さず 消え行かん
風雨に呑まれ 塵と成ろうとも
抗いし業の ひとひらを
露の命 天に昇り
大地潤し 逝く様に
激流の果て 荒れ狂う世へと
ひとしずく 残せたなら
尽きぬ諸行の渦
滅び急ぐ流れは無常
逸る己鎮め
氷焔抱き 罪を重ね行く
時が進み世界がやがて
滅亡へと向かうのならば
落日から放たれる刹那の光で
歪んだ理 焼き払う
木の葉命 燃やし尽くし
影を歩んで 悔いは無し
孤独を選び 鬼と成ろうとも
歯向かいし定め ひとひらに
露の命 光知りて
何も語らぬ 泡沫よ
戦い果てる 我が生の先に
ひとしずく 落ちるのなら
振り返らず歩む旅
伸ばされた指も 向けられた声も
全て振り捨て生きよう
望む事も許されぬと
木の葉命 紅に散りて
いつか倒れる その日まで
心を滅し 鬼と成ろうとも
抗いし業の ひとひらを
露の命 天へ還り
ただ一時の 生命よ
荒野の果てで 地に伏す我が身で
ひとしずく 残せるまで
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