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そんな他愛も無い話をしていると、ふと見覚えのある背中に目が留まった。
「あれって……」
「あぁ、慎太郎よ」
全く驚いた様子のないのりちゃんは、ペットボトルのお茶を一口飲んで当たり前のように言う。
「どうして?」
「もともと慎太郎ってバスケやってたみたいなのよ。研修のときに司とそんな話していたんだって。それで、吉岡さんに対抗して参加したいって言ってきたんだけど、バスケで打ち負かす前に茜は吉岡さんと付き合っちゃったんだよね。可哀相だけどこれで男同士意気投合するかもしれないし、楽しそうにしてるから見ててあげてよ」
「そうなんだ……」
確かに楽しそうにみんなとバスケしてるし、素人の私から見ても上手なんだろうなって思うけど、そんなことまで対抗しなくていいのに。
それにしても今日は前回にもましてギャラリーが騒がしい。
「あれってもしかして慎太郎にキャーキャー言ってるのかな?」
「たぶんそうじゃない? エース2人が彼女持ちになったし、新しいメンバーがかなり上手いわけだし、次のターゲットは慎太郎ってことなんじゃないの?」
慎太郎、ご愁傷様。
吉岡さんや片桐専務には負けるけど、そこそこイケメンだしバスケ上手いし、慎太郎のお陰で私も痛い視線から開放されたみたいで、心の中でちょっと感謝した。
今度コーヒーでもおごってあげよう。
休憩になって吉岡さんと片桐専務について慎太郎もやってきた。
「タオルどうぞ」
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