0.2 #2

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0.2 #2

…我ながら単純だと思う。 「足下お気をつけください。」 係りの人にかけられた声に小さく返事をして観覧車に乗り込む私は、すでに怒ってはいなかった。 「嶺!嶺見て!」 「はいはい。見てるよ。」 一人テンションの高い私を、何故か父親のような優しい瞳で見守る嶺。 二人きりの観覧車。 恥ずかしくて嶺を見れないからこうして外を見ているんだけど… 「もう、暗くなるね。」 「だな。これ降りたら帰るか。」 「はーい。」 ほんとはまだ、帰りたくない。 お化け屋敷はちょっと予定外だったけれど今日は本当に楽しくて。 勝手でもなんでも、思い出に残る誕生日プレゼントになったのは事実で。 だけど… 今日一日嶺と二人きりでいられるのが観覧車だけなんて、やっぱり物足りなく感じた。
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