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「姫島結璃子、いる?」
「なんですか?」
わたしの隣にいた結璃子が席を立った。
二時間目が終わってすぐ、結璃子は野球部の先輩に呼び出されていった。
「あの先輩さ、モデルやってんだって。」
「え、うそ~。」
「結璃子まじうらやましいー。あいつー。」
高校に入ってはじめての夏がもうすぐくる。
美奈、佳世ちゃん、結璃子とはこの間あったキャンプで仲良くなった友達。部屋が一緒だったこともあり短期間ですぐ仲良くなれたのだ。
美奈はギャルというかヤンキーというか見た目がチャラい。いざ、仲良くなってみると見た目とは違い優しくていい子だった。
人は外見で判断してはいけないね。
佳世ちゃんはあっさりさっぱりしていて、男ぽい。わたしが悩んでると一緒になって真剣に悩んでくれる友達思いの子。
となりのクラスに彼氏がいる。彼氏といるときはとっても女の子でかわいいのだ。
結璃子は名字に″姫″と入っているように、お姫さまのようにかわいくてものすごくモテる。
現にあの先輩も結璃子に好意があるのだろう。
小悪魔のような意地悪なところもあって、わたしがもし男だったらきっとメロメロだ。
「話終わったみたい。」
「結璃子ーー。おつかれ。あの先輩知り合いだったの?」
「ぜーんぜん。」
「モテすぎだよ結璃子。」
高校生になったというのに、わたしにはそういう浮いた話は一切ない。
まず男子としゃべらない。小学生のときはあんなに気軽にしゃべっていたのに。
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