霧島雷也①『敗北と親友』

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 この世に生を受けて、17年が経った。    僕の短い人生でも分かった事が、一つだけある。  世の中には『絶対』に勝てない『天才』が居る。  さっき負けたアイツも、その『天才』の一人だ。  人並み以上にゲームには親しんできた。今の時代では携帯ゲームが主流だ。もちろん僕も遊んでいる。  それなりに強く、コミュニティサークルには4000人を超える僕のゲーム仲間が居る。  携帯ゲームの中だけど、僕は尊敬される有名人になっていたんだ。  だけど、それで決して満足できない。上がいる以上、それが仮初(かりそめ)の実力だって、分かってるから。  どうして、どうして勝てない人間が居るんだろう。
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