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午後になり、社長室に行こうと準備をしていたら、受付に電話が入った。
「はい、受付です。あ、如月秘書。今から社長のところに伺います」
「……深愛ちゃん……」
なんだかお姉ちゃんの声、沈んでいるみたい。
何かあったのかな?
口を開く前にお姉ちゃんが声を上げた。
「ごめんね、深愛ちゃん……あのね、わたし、朝比奈社長のことが好きなの!」
早口でお姉ちゃんが叫んでびっくりした。
口を挟む隙も与えずに矢継ぎ早に話す。
「深愛ちゃんが社長を好きなことは知ってたし、応援したいって思ってた。だけど、やっぱり譲れなかった。ごめんね」
そうだったんだ。
お姉ちゃん、社長のことが好きで、それなのにわたしに遠慮してたんだ。
考えてみるとわたしが社長のことを話す時、お姉ちゃんは複雑そうな顔をしてた。
そういうことだったんだね。
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