【第7話】近付く彼と、遠のくキミ

11/28
2619人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
  インターホンが鳴ったのは、きっかり五分後だった。 仕方なく招き入れた長瀬は、鞄ではなく紙袋を持って来ていた。 「……何? それ」 「ん? ま、いろいろ」 答えになっていない答えを返した長瀬は、いつものようにソファに直行……と思っていたのに、何故かまっすぐキッチンへ向かった。 「え、何、どうしたの?」 そんな私の声を無視して、冷蔵庫を開ける。 何かを確認して、紙袋から取り出したものたちをその中に収めていった。 「ちょっと、長瀬? 何してんの?」 よくよく見ると、それらは食材のようだ。 手早くそれらを仕舞った長瀬は、振り返って言った。 .
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!