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鈴音がそう言うと、俺はもうハンドルから手を離して、鈴音を抱きしめた。
鉄パイプで殴られた後頭部が、今頃ズキズキと痛んでくる。
「鈴音。いつも、お前が言うことは正しかった。俺は、甘かったよ。でも、鈴音のお陰で、幸せだった。そうだな。あとは、匠がうまくやってくれる。あのカルテロに致命傷を与えた男だ。あいつなら、きっとこの先カルテロが現れても、壊滅してくれる。瑠生と美衣も、1人じゃない。成長したムスメたちを見れないのは残念だけど。でも、ここでお前と死ねるならそれで本望だ」
「私も…だよ」
カルテロ一味の車と同時に、俺たちの車も、ニューヨーク湾に、ふわりと飛んだ。
俺と鈴音は、同時に唇を寄せて、俺はきつく鈴音を抱きしめた。
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