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すぐにまた私を見たかと思ったら、いきなり私の右手をとり、そのままギュッと握りしめた。
び、びっくりした…。抱き締められるかと思っちゃった。
…ああ、どうしよう。
周りの空気が、なんだか淡い色で漂いはじめているのに気づいた。
…もしかして私、この空気に気づくの遅かったりする?
握られた自分の手をジッと見つめていた。
「相沢さん」
「は、はい!?」
呼ばれて顔を上げると、高野課長は頬をうっすら赤くさせながら、私を真っ直ぐ見つめていた。
やだ…、伝染しちゃうよ。
自分の頬も、なんだか熱くなってきてしまった。
「俺、相沢さんが好きなんだ」
一生懸命告げられてしまったその言葉に、ドキッとした。
目が泳いでいく。
どうしていいか分からず、私は顔を下に向けた。
「もしかして、相沢さん、俺の気持ち気づいてた?」
私は黙ったまま、首を左右に振った。
「…そっか、俺、けっこうアプローチしてたつもりなんだけどね」
…え?アプローチ?
私、高野課長にアプローチされてた?
ここんとこ、よく話しするなぁとは思ってたけど…。
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