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「すげえ、本当に登場!
入って入って!」
階段を下まで降り、
促されるまま部屋に
足を踏み入れる。
眩しさに顔をしかめながら
部屋を見回すと、
――まず、予想以上の
人の多さに驚いた。
意外と広さはあるが、それでも
圧迫感を感じるほどの人数だ。
皆、わたしを囲むようにして
じっとこちらを見つめている。
すっかり目が慣れた頃、
男子生徒の肩越しに見える
板東先輩の姿に気づいた。
「…せんぱい…」
わたしは絶句した。
板東先輩は倉庫の一番奥で
椅子に縛り付けられていた。
よく見ると、その椅子も
柱にロープで固定されている。
口には分厚いタオルが当てられ、
塞がれていた。
悲しげな目で
わたしを見つめている。
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