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「あ、恭平に会えないから落ち込んでんの?もしかして」
「落ち込んでるっていうか…ちょっと寂しくて」
「恭平も寂しがってるんだろうねーアイツ渚ちゃんのこと大好きだし。むこう忙しくて連絡取れないしね全然」
そう言いながら日向さんは笑ってるけど…なぜか日向さんの表情も寂しそうに感じてしまった。
「…日向さんも…寂しそうな顔してますよ」
私の言葉に、一瞬タバコを吸う手を止めた彼。
「…よく見てるねー渚ちゃん俺のこと」
「…日向さんも…会いたい人がいるんですか?」
…きっと美波さん。
確か美波さんも恭ちゃんと京都に行ってるはず。
「…いや、いないよ。さっ撮影の続き始めようか。渚ちゃん、カメラの前では元気によろしくね」
「あ…はい」
…恭ちゃんは、日向さんは自分の感情を表に出さない人だって前に言ってた。
愛想はいいのに、壁があるって。
…今、その言っていた意味がわかった気がした。
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