プロローグ

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噂に聞いた店は、確かこの辺りだったと思う。 そこは狭い路地裏の、わかりにくいところだとセキレイから聞いていたから、"はる"は特に注意しながら辺りをキョロキョロとしながら進んだ。 『目印は、大きな、厚い、木の扉』 セキレイが言うには、木の扉があって、窓にはたくさんの小瓶があるって。 この時のはるが思ったことは、開けられないかもしれない……、なんてことだった。 今思えば、セキレイだってきっと開けられなかったはずなのだから、聞いておけばよかったのに。 見つけた店の扉は…… やっぱり自分が開けられるようにものでなく、"はる"はぼんやりとそれを見上げた。 扉の前でくるくるくるくる ウロウロウロウロ…… どうしよう……? しばらく続ければ、『こんなカラダ』であるにもかかわらず疲れてしまった。 "はる"は蹲って大きく息を吐く。
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