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｢どうしたの？なんかすごく疲れてない？運転で疲れた？｣
いつもより食の進まない直人に話しかける。
｢あぁ…昨日朝方まで飲んでてさぁ～。まだ二日酔いが抜けん｣
直人は気だるそうにオムライスの卵を口に入れる。
｢ふぅ～ん。誰と飲んでたの？｣
｢松田さん。昨日同伴だったんだ｣
｢松田さん…ってあの飲んだ最後はお決まりの……柳ヶ瀬行ったの？｣
私はわざとらしく上目遣いで彼を見る。
｢うん、行った｣
松田さんとは、直人の会社の先輩だ。
今回の出張では、途中から合流したらしい。
岐阜県柳ヶ瀬…私は行ったことがないのでよく知らないが、彼の話によるとそこには風俗店が立ち並ぶ一角があるらしい。
そして、松田さんと岐阜県に同伴の際は、必ず直人は｢そこ｣に連れていかれる。
私は、直人と付き合って初めて、男社会にはそう言う『付き合い』が在ることを知った。
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