暗闇

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私はそのチョコを口に入れた。 口の中で甘く溶けるのは、私の大好きな北海道のROYCEチョコレート。   柔らかに溶ける生チョコの甘味で、少しずつ私の心の緊張が解かれていくような気がする。     こんな時は、やはり綾子の優しさと癒しテクニックの上手さを実感してしまう。     「…昨日ね、先生の彼女に私達の関係がバレたの…。それで、彼女が結婚を考え直すって言ってるみたい」   私は、昨日の修羅場の状況を綾子に語りだした。 ピアスを忘れ、それを彼女が見つけたこと。   彼女が、パソコンから私の携帯番号を探し電話してきた事。   先生が私への気持ちを否定しなかった為に、彼女が家を飛び出した事…   そして、結婚は考え直すと彼女が言った事…。     私はすべてを綾子に話した。   話を聞きながら、時折綾子が険しい顔をした。   私があのレストランで打ち明けた時とは、違った表情であった。
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