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悠哉の手の遊びが止まったのに気づいた私は、なんとか身体をひねらせ横向きに。
ソファーの背もたれ部分を見つめ、息を整えながら声をかけた。
「…はぁ、はぁ………、あ、あの、…ひとついい?」
身体を動かした際にかかった頬に流れる髪の毛を、悠哉は手でそっと耳の後ろへ運んでくれた。
すかさずその現れた耳にキスをして、ささやいてくる。
「…いいよ。そのかわり、手短に…」
そしてさらに唇が触れてきた。
わぁぁ、ますますまずい。
優しすぎるって。
そんなんじゃ、好きすぎちゃうって。
なんだか感情がしっちゃかめっちゃかになってきてしまった私は、自分に落ち着けと一言述べて、さらに続けた。
「ずっと、気になってたんですけど。…昨日の食事会、ホントに大丈夫だったんですか?」
ただ、全てを悠哉にとらわれてしまわないようにするための、一つの手段だった。
悠哉のことばかり意識していたら、絶対最後までもたないもん!
そんな思いを込めているなんて、悠哉はきっと気づかないと思うけど。
すると、すぐに私の耳から唇が離れていく。
「大丈夫。心配ない」
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