ここに入ったからには、容赦なくビシバシ行くわよ

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「黙れぇぇぇぇぇ!!!」 リーゼントを揺らして、鈴ちゃんが凄い形相で走ってくる え、どうしたの、え? 図書館でヘビメタが始まっても、あんな必死に静止の声はあげないわ! 「鈴ちゃん、どうしたのー!!?」 何かあるのかと思って、まだ距離があるので、大声で尋ねた 「黙れって言ってんだろ!!」 「何でよ、鈴ちゃん!!」 「煩せぇぇぇぇ!!マジ、殺す。御前の歳の数だけ殺してやる!!」 お誕生日ケーキのロウソクか それとも、節分に食べる豆か …どうしよう、私、鈴ちゃんとお笑いコンビ組めそう! 夢は甲子園ね! 「…野球か、ってツッコミなさいよ!」 「意味分かんねえよ!とりあえず、」 「一回死ね。」 ブンッ 鈴ちゃんが、走ってきた勢いのまま足を振り上げて、真っ直ぐ私の方へと全力で足蹴りをかましてくる えー、何でよー 私は、何も悪い事してないわ 鈴ちゃんの理不尽さに溜め息を吐いて、私はあるモノを取り出す バコッ、 「てめえ…何だそれ。」 私の横腹を抉ろうとした足は、棒に引っかかっていた 棒を支えた時の振動が、ぴりぴりと私の手を痺れさせる うわ、威力凄い… 「"すりこぎ棒"よ。ほら、あるじゃない、ゴマをすり潰す時の棒。」 「…御前をすり潰してやろうか。」 物騒ね 不良の蹴りを抑える、という用途以外の使い方をしてしまったすりこぎ棒に心の中で謝って、元の場所にしまう
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