君伝3…7章 キス、しようか?

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ここは空港で、 「……もう、他の人とキスなんてしちゃダメですから」 「うん、お酒に酔っててもしないよ」 彼らの両脇をスーツケースを持った通行人が通り過ぎる。 「……酔ってたんですか?」 「うん、手を引かれて気が付いたらキスしてた」 「馬鹿」 だから、そう言いながら彼の腕の中から逃れたのに。 「うん、馬鹿だね」 「……コーヒー、おごってください」 「もっと甘えてパフェでもいいよ?」 「じゃ、ケーキセットで」 「やっぱり美穂はツンデレだ」 「はい?」 見上げる彼女に、凌はいつもと同じように微笑む。 手はしっかりと繋いで、 「ねぇ、美穂」 そして、 「キス、しようか?」 「はっ? んっ!!」 いつもと変わらないキスを。 彼女とのキスはいつだって甘くて柔らかくて、 ほんの少し、しょっぱい。
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