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『仕方ないな…』
理紫の苦笑する声に、海月は俯いた顔を上げる。
『…いいよ、分かった。じゃあ、今は聞かない』
「……!」
『でも、その代わり約束。次に俺と会った時には、海月の口からちゃんと全部話して』
「理…」
『それが嫌だっていうなら、…俺にも考えがあるよ?』
それが、理紫にとっての最大限の譲歩だと海月は理解する。
与えてくれたのは時間。
次に会えるのが、いつだなんて分からない。
だったら、それまでに色々な覚悟が出来るだろうか…。
「…うん」
『約束出来る?』
海月の返事に、理紫は確かめるようにもう1度聞く。
「約束、する…」
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