9.

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『仕方ないな…』 理紫の苦笑する声に、海月は俯いた顔を上げる。 『…いいよ、分かった。じゃあ、今は聞かない』 「……!」 『でも、その代わり約束。次に俺と会った時には、海月の口からちゃんと全部話して』 「理…」 『それが嫌だっていうなら、…俺にも考えがあるよ?』 それが、理紫にとっての最大限の譲歩だと海月は理解する。 与えてくれたのは時間。 次に会えるのが、いつだなんて分からない。 だったら、それまでに色々な覚悟が出来るだろうか…。 「…うん」 『約束出来る?』 海月の返事に、理紫は確かめるようにもう1度聞く。 「約束、する…」
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