第二章

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「あんなことを申すものではありません。あれでは断るのと一緒です」 当たり前だ。 私も、かぐや姫も、断りたいのだから。 ……顔も知らないおじ様たちとなんて。 どんなに位が高くても、あり得ない。 私は、そう思う。 「おじいさんは、伝えたかな……」 「きっと伝えましたとも。姫様がそうしてほしいとおっしゃったのですから。それにたとえこの国になくとも、あの方たちなら海へ出て探しに行かれるかも知れませんよ」 私の呟きに八重さんが答えた。 彼らは探しに行くだろうか。 危険な旅になるのに。 行く人もいるだろう。 その人を思って少し切なくなった。
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