◇◇ 第15章 ふたりの生活 ◇◇

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部屋を退去して、和也さんのマンションへ向かう。 お互いになぜか無言。 あたしの心の中には、うれしさと…… 不安と…… 戸惑いの…… いろんな感情が渦巻いていた。 もう、戻れない。前に進むしかない! 車を降りてエントランスへ向かう。 エレベーターを降りて和也さんの部屋の前。 和也さんが玄関の扉を開けた。 ふたりで中に入る。 パタンッ 静かに扉が閉まった。 「璃子、おかえり」 「たっ、ただいまっ!」 突然の会話に、思わず条件反射で言ってしまう。 見上げると、和也さんはとても優しい笑顔で、うれしそうにあたしを見ていた。 あまりの優しい瞳に思わず見とれてしまう。 「あ、あのっ、これからどうぞよろしくお願いいたします」 恥ずかしさでうまく言えない。 そんなあたしを、和也さんは、ギュッと抱きしめた。
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