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今日は三浦が受けたA大の最後の合格発表日。
もう、夕方なのに連絡が来ない。
もう朝からずっとドキドキしてる。
しかも今日は休みだから、誰もいない部屋で落ち着けるわけもなく、テレビ見ても内容全く入ってこないし、何かと家中フラフラしてた。
どうしよう。
何もやることなくて布団に入ってみたものの、寝れるわけないし。
寒いのに違う意味で震えてくる。
あーまじアイツ何やってんの?!
なんで、電話してこないの?!
もはやイラついてくる。
てかなんならこっちからかけてやろーか?
さっきから手の中にあるスマホはビクともしない。
ジッと睨むようにスマホ画面を見つめる。
自分でもどんくらい見つめてたかはわからないけど、いきなり画面が明るくなって、着信中と表示された。
それと同時にバイブし始めて、心臓が止まりそうになった。
慌てて電話に出る。
「…もしもし?」
『せんせ?』
「…うん。めっちゃ待ってた」
あまりにも落ち着いてる声で、嫌な想像が浮かぶ。
『…ふふごめんね』
「…いや、いいけどどうだった?」
『……受かった』
「ん?…え?」
『…受かったよ、先生。』
「…うそ…」
『本当だって。』
「…じゃあなんで…」
『ん?』
「…なんでこんなに待たせんだよあほ」
声が震えて若干涙声になってしまう。
『…ごめんね。先生。俺もね意味わかんなくて実感なくて。お昼に合格って知ったけどちょっと自分を落ち着かせてた。』
「…なんだよそれ。」
一気に不安が吹き飛んで、笑いとともに、涙まで出てきた。
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