◇◇ 第19章 秘められた想い ◇◇

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  ……いつも、そう。 あたしが元気を無くしている時に、タイミングよく現れて、訳も聞かずに元気づけてくれる。 優輝さんのさりげない優しさに、あたしはいつも救われている。 あたしは、笑っている優輝さんを見て、感謝の気持ちを呟いた。 「なんだか、いつも助けていただいて、ありがとうございます」 あれっ、この言葉……前にも一度言った気がする。 次の瞬間…… あたしの中に眠っていた記憶が一気に溢れだした。 あっ!? 橘さんに飲まされた時、すっと隣に現れた優輝さんが、コップ一杯の日本酒を、いとも簡単に、あっさりと飲み干し、あたしを見て「大丈夫か?」って。とても優しい顔して言った。 その後、あたしは、優輝さんに抱きしめられて…… そこまでの記憶が、一気に甦った。 「忘れたままでよかったのに」 目を見開いたまま固まったあたしを見た優輝さんが、察したように声をかけた。 社長が言ってた、もうひとりのナイトって…… 「優輝さん、だったんですね」 驚くあたしに、優輝さんは微笑みを返した。 「お待たせしました~」 言葉を交わすのを遮るように、出来上がったランチが運ばれてきた。 「わぁ、璃子うまそうだな」 優輝さんは、話題を変えた。 「ええ。本当に」 あたしは、続きの言葉を飲み込んだ。    
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