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「松本部長は、十分、璃子が好きって言ってくれてるんじゃないの?
あんないい男が、璃子を選んでるのに、なんで、璃子が他の女の影に揺らぐのさ?
もう松本部長の彼女だって自信持っていいんじゃない!?
じゃないと松本部長に失礼だよ。
相手の事を思って、身を引くって言っちゃう人がたまにいるけど、それっておかしいよ。
璃子が松本部長を大切に思っていれば、それが1番で、それが、揺るぎないふたりの信頼と言う名の絆になるんじゃないの?
絆って、少しずつふたりでギュッって作り上げていくもんじゃないの?」
「村上姉さん……」
「それに多分。いやっ絶対に松本部長と冴子さんには、何にもなかったし、無いと思うよ」
「えっ!?」
優輝さんも、村上姉さんまでもが、何にもなかったと言うなんて。
ニヤリと笑った村上姉さんは、話を続けた。
「だって、松本部長、璃子を探して、ものすごい勢いでホテルの部屋まで走ってきたし。
以前のパーティーの時も、取り乱してたけど、今回、あんなに取り乱してる松本部長見たの初めてだったよ。
『璃子は!?』って、それはそれは見事な慌てぶりでした」
「……」
あたしは、ほんのり赤くなった。
「あたしには、璃子の事が大好きで大切で仕方ないって感じに見えましたけど?」
「村上姉さん」
あたしの凍りついた心に、温かなエネルギーが注ぎ込まれた。
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