ずっとそばにいてくれたね 第21話

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和也さんは、さっきまでのクールな会社の笑顔とは違い、プライベートの柔らかな笑顔を浮かべて歩いて近づいてきた。 「璃子」 「……和也さん」 「璃子の食べたい美味しいもの食べて帰ろう」 「……ぅん」 あたしは、溢れそうな涙のせいで塞がった喉の奥から、小さな声を出して返事をした。 和也さんは、あたしの腰に手を回すと、そのままあたしを連れて歩き出した。 「璃子、何食べたい?」 「和也さんは?」 「俺?そしたらこのままベッドに直行でしょ」 「え゛!?」 あたしは、滲んでいた涙が一気に引っ込み、声にならない声を出して、和也さんを見上げた。 「冗談だよ」 和也さんは、目尻を下げて、くしゃっとした笑顔を向けた。 ……このギャップ。 会社とプライベートのスイッチの切り替えが、あたしの心をキュンと言わせる。 ……さすがボスキャラ。 そもそも攻略法なんか無いんだから。従うしかないんだから。ねぇ? なんて、もう1人の自分と頷きあった。 「璃子、何がいい?」 「ホカホカのご飯!」 「よし!じゃあ、ご飯の美味しい店に行こう」 「うん♪」 和也さんとあたしは、ふたりでくしゃっとした笑顔を見合わせて笑った。
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