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和也さんの言葉に、ひとり静かに、うれしさと恥ずかしさが入り交じった喜びに、じわじわと襲われる。
「璃子ちゃん、そこで地味に喜ばない!」
頬を染め始めていたあたしに、隼人さんからの、容赦ないツッコミが入る。
「この愛らしさが、クールな和也の心を掴んじゃったのよね」
なんて、冴子さんが、さらに後押しをする。
10年以上のキャリアを持つカップルには、歯が立たない。
「いいんだよ。俺は、そんな素直な璃子が、好きなんだから」
さらに、和也さんが、さらりと言いのける。
「そこっ!ノロケすぎですよ!」
後ろにいた村上姉さんまで、すかさずツッコミを入れてきた。
「まぁまぁ、今日だけは、ふたりの結婚式だから、大目にみてやろうよ」
優輝さんが、事を収めるように、そして少しからかうように言い放つ。
「仕方ないなぁ~今日だけですよーっ」
村上姉さんが、腕組みしながら笑う。
その様子が、おかしくて、クスッと、笑いが起こり、アハハハッと、みんなが一斉に笑う。
仲間の笑顔が、明るい笑いが、あたしたちふたりを、やさしく囲んだ。
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