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ケーキの箱には美咲が頼んだのかちゃんとろうそくが入っていて、5本ある内の1本を部長が私のケーキに立ててくれた。
火は、非常用のマッチを使った。
ケーキの前に私が座ると部長が照明を落とした後で私の後ろから包むように腰を下ろす。ソファではなく、直接床に座った。
暗い部屋で、ろうそくの灯りを体を寄せて二人で眺める。
二人で一つの小さな炎を見ていると、今日という日が本当に特別な日に思えてくる。
今日という日を灯すあかり。
そして、
部長が私抱き締めながら囁いた。
「ゆい。誕生日おめでとう。
これから先の誕生日は全て俺が祝ってやる。何年先もこの日を二人で一緒に過ごそう。」
好きだと言われたわけじゃない。
愛してるとも違う。
まして、プロポーズでもない。
けれど、
その言葉にはそれ以上の想いが込められてる気がして、私の胸をじんわりと熱くさせた。
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