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「ジャジャーン!!」
テーブルに並べられた料理のメニューを自慢げに紹介したのは、手伝いとは名ばかりな藤森だった。
「うなぎの蒲焼混ぜご飯。お吸い物。一口とんかつ、梅しそ味と、チーズ味。肉じゃが。サラダは2種類用意しましたー!」
「な、お前、さも自分が作ったかのように言うなよ!」
「いいじゃないか。美味そうだな。さ、早く食べよう。」
部長の言葉に室井は柔らかく笑っていた。
藤森とは対照的すぎる。
飲んでいる部長と俺はご飯と吸い物は後にした。
俺は飲んでいたこともあったし、原因はそれだけじゃないにしろ、気分が良かった。
俺らしくないことも今なら言えた。
「で、お前は何をしたんだよ?」
「私?このサラダのトマト切ったし、レタスちぎったし、盛り付けたよ。」
「ふーん。まあまあ綺麗に盛れてんじゃん。」
そう言って、俺はサラダのトマトを口に入れた。
「ん。美味い。」
俺がそう言ったのに、藤森からの反応がない。
何でだよ?
藤森の顔を見ると、俺の口元に視線を向けたまま、顔を赤くしていた。
な、何なんだよ!?
その反応はっ!?
俺はわけがわからなくなる寸前で、ただそのサラダをガツガツ食べて、一人で半分以上も食べてしまった。
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