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部長のマンションに到着した。
私には拒否権というものはないみたい。
ガチャリと重たい鍵の音を耳にした直後、先にドアの中に入る部長に勢いよく手を引かれる。
そして、玄関の壁に私の背中を押しつけて激しくキスを浴びせた。
必死で応えようとするけど、激しくて…
「…ン、ンン、…部長……。」
すると、突然部長が唇を離した。
「…部長?もう"部長"の時間は終わった。…これからは"秀一さん"だろ?」
その言葉に顔が赤くなるのが自分でもわかる。
部長の手が胸に、スカートの中に伸びてくる。
「しゅ、秀一さんこんなとこで…。ダメ…です。」
「じゃあ、どこならいい?」
意地悪く切り返してくる部長に顔が更に熱くなる。
「…あっち。」
私は部屋の奥を指さした。
部長は満足気な笑みを浮かべて私を抱き上げて奥へと連れていく。
部長に抱きつきながら、目を向けた玄関。
そこに残された二人の会社バッグと脱ぎっぱなしの靴がなんだかとても可笑しかった。
そして今夜も…
…熱い夜を揺らしていく。
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