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「…ゆい。」
「…秀一さん。」
「ゆい…。」
「秀一さん…。」
俺たちはお互いの存在を確かめるためなのか、まるで木霊(コダマ)のように名前を呼び合っていた。
この夜、ゆいを抱きしめて眠る前
俺は生まれて初めての言葉を口にした。
「…ゆい…愛してる。」
「…私も…愛してます。」
ゆいは消え入りそうな声で返事をした後、小さく鼻をすすっていた。
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