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連鎖する悪夢 #3
突然、天使達が低い甲高い声を上げ出した。
重低音のラプソディ。
それは騎士たちの思惑外の行動だったらしく、一様に驚きの表情を浮かべる。
「どうしたエクセシア?!」
震えるようなか細い歌声のようなものに、レッドレイは初めて自分の守護天使に一抹の不安を感じた。
今までに見たことがない天使の反応。
それが何を意味するか、天翼騎士団、入団四年目の青年にも分からなかった。
アルダークとクライハルトは無言で眼を合わせると剣を構える。
二人ともガルンを本気で倒すべき敵と認識したようだ。
アルダークの背に八枚の翼が現れる。
アルダークは左腕のみで、一際でかい大剣を眼前に掲げる。
両刃に金色の神代文字が刻まれた荘厳豪華な剣。
それに右手を当てる。
「陽極の天使、サンキュリスよ。我剣にその一翼を捧げよ!」
アルダークのその声がスタート合図だったかのように、クライハルトがガルン目掛けて飛び出す。
ガルンは煮えたぎった怒りの業火に身を焼かれながら、冷淡に薄ら笑っている自分を感じていた。
冷静に気配が“二つになる”のを理解する。
真後ろから現れた剣戟を、ガルンは振り向きもせずにダークブレイズを肩越しに延ばして受け止めた。
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