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忌み子の姫 序詞 #3
先端から凍り付いて砕け散っていく中を、無理矢理力圧しで水の渦は突き進む。
まるで空中に凍りの花火が次々に咲く中を、潜り進む龍のようだ。
白き銀嶺は力負けをしている事に直ぐに気が付いた。
直ぐさま次弾の咆哮を発する。
咆哮の二重奏。
水流の刃は一瞬で凍り付いて砕け散った。
空中にダイヤモンドダストが舞い散る。
そこで白き銀嶺は目の前にガルンが猛スピードで突っ込んで来るのに気がついた。
チャクラ強化の走法。
始めからガルンは水流を目くらましに使うつもりだったのだ。
空中に舞う氷結した水分を吸収するように、刀身に水の刃が付加される。
白き銀嶺はハウリング・マジックは間に合わないと判断した。
内功を練り上げて、気を腕に集中する。
ガルンの上段からの一刀を左腕で受け止めた。
「?!」
接触した瞬間に感じるプレッシャーで竜人の顔色が変わる。
ガルンは腕力にチャクラを三つ回していたのだ。
真っ向勝負だと力負けすると言う一瞬の恐怖に似た予感。
竜人は瞬時に化勁に変化させて“機”をずらす。
すなわち合気で力を全て受け流す選択をした。
ガルンは身体のバランスが崩されるのを刹那で感じ取った。
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