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光の輪によって閉ざされた空間は、ほとんど音が無いために無機質な場所のように思えてくる。
その場にいる三人は、怪訝そうに顔を見合わせた。
「切り札?」
余りに馬鹿馬鹿しい発言と捉え、ネーブルは明らかに不満を漏らす。
あの未来のビジョンのガルンに、あの後があるとはとても思えない。
「持つか分からないが……全ての敵に滅陽神流剣法を使う」
「……?」
三人が三様に疑問の表情を浮かべた。
当然だろう。
まともな滅陽神流剣法を見ているのは、幽宮の塔でアズマリアとアカイしかいないからだ。
(問題は霊妙法の構成スピードと……、俺のチャクラと……魂が持つかか)
ガルンは小さく息を吐く。
カナンは霊威力を創製し過ぎて、魂が砕けて死んでしまった。
霊威力を使い過ぎれば、誰にでも訪れる末路である。
立て続けに使えば、死ぬ確率は格段に上がっていく。
「その技がどんなに強くてもよ。奴ら全員を倒せるとはとても思えねぇーよ」
ネーブルは唾を吐き捨てた。
剣呑な空気は変わらない。
「出来る出来ないじゃねぇ! やるか、やらないかだ。俺が奴らを捩じ伏せる!」
ガルンは一気に残ったチャクラをフル回転させる。
チャクラ三つで霊妙法を行使して、霊威力を練り上げていく。
残りの空いているチャクラは一つだ。
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